(photo by VolunteerMatch.org)
昔々、大学の新卒として就活をし、いつしか逆に面接をする立場となった著者から、これから就活の戦場へ向かう人々へちょっと辛口のアドバイス。
◆面接はルックス次第
はっきり言って、男も女も面接はルックスがいい方が有利である。
しかし、別にモデルやタレントの面接ではないので、ごくごくフツーであれば全然問題はない。
ここで要求されるルックスとは、明るさ、清潔感、豊かな表情、明確な話し方などである。
いくら高い学歴を持った優秀な人材でも、陰気で暗く、何を言っているのかよく判らない人とは一緒に仕事をしたいとは思わない。
就活に向かう人々は、ぜひこのことを自覚して鏡に向かって欲しいものだ。
また、話し方に自信がない人は、そういった類のセミナーなどに参加してみることを勧めておこう。
短時間のセミナーであっても、自分の話し方を客観的に判断してくれるから良い話し方だったら自信が持てるし、そうでなかったとしても、なんらかの対策を立てることが出来るはずだ。
◆面接はなにを答えるかよりどう答えるかを見ている
緊張の中の面接では、面接官が色々な質問を投げかけてくる。
答えやすい質問もあれば、答えにくい質問もあるはずだ。
しかし、面接官はすばらしい回答を期待しているわけではなく、どのように答えるのかを見ていることが多い。
例えば、私が面接する場合、志望動機を尋ねたとしたら、「貴社の将来性に憧れ、一緒に仕事がしたい!」などといった歯の浮きそうな回答を期待しているのではなく、志望に至った経緯を理路整然と話せるかどうかを見ている。
これで、この人物がどうのような思考パターンを持っているのか、とりあえずは判るからである。
ここで、他社の悪口を言ったり、親や教授に勧められたなどと自主性を持ち合わせていないような回答をすれば最悪である。
◆経歴自慢はほどほどに
面接を受けに来る人々の中には、自分の学歴や研究内容、サークル活動、ボランティア活動、中途採用の人はこれまでの仕事ぶりなどを自信満々に披露する人が少なからずいる。
今の時代、自己アピールは大変重要であるが、あまり自慢話ばかりされても、「それがどうしたの?」と聞き返したくなってしまう。
肝心なのは、さまざまな行動を通して何を得たのか? が重要なのである。
よくあるパターンとしては、アメリカやカナダなどに「留学してました!」とPRする人を時々見掛けるが、では、英話をペラペラ話せるのかと聞けば、「少しぐらいなら。。。」となってしまうことが多い。
これでは、面接官としてプラス評価にはならない。
なにも得なかった行動なら、遊んでいたことと同じと評価されてしまうだろう。
このことをよく理解して、履歴書を書き、面接に臨むことを勧めておこう。
◆結局、企業は文句を言わず一生懸命働く人材を求めている
面接の終盤などで、面接官が会社に関して何か質問がありませんか?
と聞くことが多いと思うが、この時に、有給や昇給、残業手当などの労働条件についてあれこれ聞くことは止めておいた方がいいだろう。
結局、企業は、今も昔も文句を言わず一生懸命働く人材を求めているのだ。
面接の段階から労働条件についてクドクドと聞いたら、文句の多い奴だなと判断されてしまうだろう。
◆個性と目立ちたがりを間違うな
就職戦線においては時として、他の人達とは違った個性的な自分をアピールする必要もあるだろう。
例えば、レポート試験などに際して、他者が答えないような「なるほど!」と思わせる個性的な回答をすることも重要であろう。
ただし、こういった個性的なアピールも限度とTPOへの配慮が必要である。
昔々、私が新卒の就活をしている頃、あるタバコを作っている超大手の会社へ会社説明会を兼ねた工場見学に参加したことがある。
この時、わざわざ工場を工場長が案内してくれて、その後はちょっと贅沢な昼食までごちそうしてくれた。
その昼食の後のことである。
工場長が「当社のイメージはどんな感じですか?」と我々参加者に聞いた。
他の参加者達は、「伝統がある」「安定性がある」などと差し障りにない回答をする中、私は少し個性的な回答をしておこうと思い、
「『昼寝してるクジラ』ってとこですかね」と答えた。
すると、今まで穏やかだった工場長の顔色がさっと変わり、「じゃあ、うちの会社は波の上をプカプカ浮いているというのか!」と怒り出してしまい、ちょっとした騒動になった。
結局は、人事部の人が中に入ってくれて事なきを得たが、自戒を込めて、個性的なPRはやり過ぎないことをお勧めしておこう。
◆就職浪人は益々不利に
プロ野球入りを目指す一流選手ならいざ知らず、希望の企業に入れないからと言って、新卒の就職浪人することはあまりお勧めはしない。
もちろんそれぞれ個別の理由があるだろうが、面接する方からすれば、就職浪人の人々は、ドラフト漏れした一群に見えるのである。
この浪人の間に、目を見張るような成果をあげていれば別だが、そうではなく単にバイトをして過ごしていたとすれば、新卒者と比較すると圧倒的に不利になるのだ。
まあ、一生に一度の新卒就職だから、希望を叶えたい気持ちは判らないわけでもないが、思い通りにならないのが世の中というものである。
ある程度の線で、手を打っておくというのも一考である。
将来性のある無名な企業も、探せば見つかるものだろう。
以上、いくつか挙げてみたが、就活活動中の読者には、良ければ参考にして貰って、悔いのないよう頑張って頂きたい