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ベーシックインカムの基礎知識~導入後の日本を大胆予想

By編集部

3月 7, 2016

(photo by Michael Veltman)

最近、またちょこちょこと議論されることがあるベーシックインカム
ベーシックインカムとは、老齢年金・生活保護・児童手当などを設けず、国民全員に対し最低限必要な生活費(たとえば一人あたり毎月7万円)を一律に支給しようとする制度である。
この財源としては、個人の所得税を50%程度にする案や消費税を数十%にする案、相続税をガッポリ取る案などがある。

果たして、このベーシックインカムが導入されれば、我が国はどのような姿になるのか、私もまだまだ研究中の分野であるが、大胆不適に予測してみたいと思う。

1.チャレンジャーが増える
どのような職業につこうとも、どのような暮らし方をしようとも、最低限の生活費は支給されるので、いろいろな意味でチャレンジャーが増えるはずである。
ビジネスの世界においては、間違いなく起業家が増えるだろう。
また、学術系の人ならば、組織に属さず、自分の好きな分野の勉強を続けたり、作品の製作に没頭する人も増えるはずである。
これらの中から、世界的な企業が生まれるかもしれないし、世界を揺るがす大発見・大発明が行われたり、優れた芸術が誕生するかもしれない。

2.怠け者も増える
なにもしなくても最低限の生活費はもらえるので、1食300円程度、家2万~3万円程度の暮らしで良ければ、働かないでも食べてゆける。
そこで、一日中ダラダラと過ごす怠け者も増えることが予想される。
おそらく、パラサイトシングルが増殖することだろう。

3.子作り・子育てが仕事になる
たとえば一人1ヶ月7万円支給とすると、
1人家庭で7万円/月
2人家庭で14万円/月
3人家庭で21万円/月
4人家庭で28万円/月
5人家庭で35万円/月
6人家庭で42万円/月
7人家族で49万円/月

となる。

これをみれば、1人家庭や2人家庭の支給では生活が苦しそうだが、5人、6人、7人と増えて行けば支給額が増えぜいたくしなければ、特に働かなくても生活できそうな感じである。
つまり、「家族を増やす=結婚して子供を作る」ことで、働く必要がなくなってくるのである。
言ってみれば、子供を作って育てる事が仕事になる可能性がある。
ベーシックインカムの導入で、日本の少子化問題も一気に解決するかもしれない。

4.過疎が解消される
出来るだけ働きたくない人々は、家賃の安い田舎へ移住することが考えられる。
現在、空き家が多い過疎の村々がその対象となるだろう。
過疎の村々も積極的に誘致を進めるかもしれない。
これで、過疎問題も解消?

5.法律ギリギリで勝負する人が増える
ベーシックインカム制度化では、どうころんでも食べていけるわけだから、「ここは一発、法律ギリギリのビジネスで勝負しよう!」という人も増えるかもしれない。
ちょうど1.で述べたことのデメリットである。
あるいは、さらに進んで、重罪にならないような軽い法律違反なら構わないと考える不届き者も増えるかもしれない。

6.安定収入で消費が拡大する
ベーシックインカムは、これまでの定額給付金のように、一時的な支給ではなく毎月貰えるものなので、貯蓄に回らず消費に使われることも予想される。
これも一種の景気対策になるかもしれない。

7.消費が海外に逃げる
ベーシックインカムで得た収入を、物価の安い海外で過ごせばより豊かな生活が出来るので、海外移住者が増えるかもしれない。
こうなると、せっかく支給した資金が国内で消費されず、海外の市場を支えるためだけ利用され、景気対策にならないかもしれない。
ただし、日本国民でありかつ日本在住者に限って支給すれば、この問題は解消される可能性がある。

8.日本の人口は2億人突破?
ベーシックインカムの支給対象者を日本人のみとすれば、日本に在住し帰化をする外国人が急増するはずだ。
さらに、3.で述べたように国民の数は増えるだろうから、日本の人口は、帰化を制限するとしても2億人くらいになるかもしれない。

9.行政コストが下がる
現在、行政コストが高いのは、複雑な社会保障制度があることも一因である。
ベーシックインカム制度を導入すれば、国民一人に対して一律支給となり、行政コストを下げることが出来る。

10.ケースによっては社会福祉がダウンする
ベーシックインカム制度化では、どのような立場の人であっても一律に定額を支給するので、ケースによっては、現状の社会保障よりも悪化する可能性がある。
ただし、これらに関しては、補助的な制度を設ければ、解消されるかもしれない。
これに伴って、行政コストは上昇してしまうが。。。

以上、ざっと思いつくところを挙げてみた。
興味のある方は、より深く研究してしていただきたいと思う。