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区切りを付けたがる日本人

By編集部

1月 12, 2016

(photo by ume-y)

いまの安倍政権はまもなく3年を超え、まだまだ続くようなのでおそらく久々の長期政権となる見込みである。
しかし、その前はと言うと1年前後で次々と首相がかわるネコの目政権であった。しかしこれは、民主党はひどかった、その前の自民党もひどかったという話ではなく、明治以降の首相は、実はよくコロコロと変わっているのだ。

明治以降の首相の任期を調べて行くと、早い人なら、数ヶ月で交代している。とくに、第二次世界大戦の真っ最中でも、首相が交代しているのだから驚きである。
さて、より古い日本の歴史を振り返ってみると、政治的トップである天皇や将軍はそうコロコロと交代してはいないが、その代わりに元号が早ければ数年単位で変わっている。ひとりの天皇で、元号を5回も6回も替えているケースも少なくない。元号を替える理由は、天皇が交代したことが主な理由なのだが、それ以外にも大きな天災や飢饉があった時やなにか新しい体制が生まれた時に、区切りを付ける意味合いで変更されているようだ。ちなみに、元号の中では、昭和の64年が圧倒的に長いが、それでも我々は、戦前、戦中、戦後と勝手に分割してとらえている。

別に、元号を変えたところで、昨日と今日は何も変わらないのだが、どうやら昔から日本人はなにかを新しくして、「区切り」を付けることが大好きなようである。また、さらに言えば、今でも我々にとって1年での最大の行事はお正月である。12月31日と1月1日では、特になにも変わらないが、ともかく「めでたい!」と言って、初日の出を拝み、お酒を飲んで初詣に出かける。平たく言えば、ゲームのリセットボタンのようなものだろう。一から出直し、リスタートを愛する国民性のようである。

したがって、現在においても、政治家や有力者が少しでもつまずいたりすると、国民は、辞めろ!辞めろ! と騒ぎだしてリセットボタンを押そうとするのではないだろうか。この流れに乗って辞めさせたところで、果たしてそれが効率的なのかどうかははなはだ疑問である。しかし我々は、それよりも力のある者を追い落としたというカタルシスを望むようだ。

ゲームばかりしている子供を叱れない、そんな日本人の姿がここにある。