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アメリカドルを基準に考えよう

By編集部

11月 2, 2014

(photo by Jessica Jones)

世界の基軸通貨やはりアメリカドルである。一時期はユーロが台頭し、その地位を脅かすのかと思われた時期もあったが、ヨーロッパ経済の混乱の中でその地位を落とし、結局はアメリカドルがその地位を守っている。残念ながら、日本円は比較的安全な通貨として一時避難的なものであるし、未だ完全な変動制を拒否している中国元にいたってはほとんど国際的な信頼を得ていない。

我々が、日本国内だけでお金を稼いで消費しているだけなら日本円のことだけを考えていればいいのだが、実際のところは外国との貿易は欠かせないわけだから、為替相場のことは、どうしても避けることは出来ないのだ。

そこで、アメリカドルである。世界の基軸通貨はアメリカドルであるから、我々の行動もアメリカドルに置き直して考えてみる視点も必要なのだ。
ちょうど、ここ2年以上は急激な対アメリカドル安が続いている。このことを考えるにはよい機会といえるだろう。下の図が<アメリカドル-日本円チャート>だ。

これを見ると、2011年12月頃に底(約73円/1アメリカドル)を迎え、2014年10月30日現在、円安(約109円/1アメリカドル)傾向が続いている。割合にして33%円安になっている。


http://jp.advfn.com/より)

ここで、いくつかの例を挙げてみることにしよう。
まず、給料を考えてみると、たとえば月給30万円の場合、2011年12月頃の円高時には、4109アメリカドルだった給料は、2014年11月1日には、33%減の2752ドルになってしまったのだ。
もし、給料が30万円から33%減の20.1万円に下がったとしたら誰もが困るであろうが、アメリカドルベースで考えると、実際にこの3年間ほどの間にこのような事態が起こっているのだ。
続いて、<日経平均株価>を考えてみよう。下の図がここ3年間のチャートである。日経平均株価は、アメリカドル-日本円が円安に動くことと連動して上昇傾向を続けている。ちょうど2011年12月頃に底(約8200円)を打っている。


http://jp.advfn.com/より)

ここで、こちらもアメリカドルベースで見れば、2011年12月頃の日経平均株価は112.3アメリカドルである。そして、2014年10月30日現在の日経平均株価は、約15900円程度であるから、アメリカドルに置き直すと、145.8アメリカドルとなる。
つまり、この3年間ほどの日経平均株価の動きは、日本円ベースで見れば、8200円→15900円で1.9倍の上昇であるが、アメリカドルベースで見れば、112.3アメリカドル→145.8アメリカドルで1.3倍にしかならないのだ。
少なくとも、海外の投資家はこのような考えのもとで日本の株式に投資していることだけは間違いない。


http://jp.advfn.com/よりの画像を編集部にて修正)

無論、円高に動くときには、我々の給料や資産は黙っていてもアメリカドルベースで考えるとその価値が上がってゆくのであるが、多かれ少なかれグローバルな経済の中にいる日本人も、時としてはドルベースで物事を考える習慣をつけるべきであろう。