(photo by General Tango)
地酒と日本酒ってなにが違うか知ってますか?
製造方法が違う?
原材料が違う?
実は、これらに大きな違いはないのである。
大手メーカー以外の酒や主産地である兵庫県・灘、京都・伏見、広島・西条以外で作られた日本酒のことを「地酒」と呼んでいるに過ぎないのである。
地酒は、昭和の終わりにブームを迎え、それ以来そのブランドイメージを高めて今日に至っている。それまで、地酒は主要な日本酒よりも格下に見られていたのだが、これは見事なブランドイメージ戦略が成功例であろう。
今では、地酒の方が銘柄にかかわらず明らかにそのステイタスは高い。日本酒メーカーもおちおちしていられないことであろう。
同じく昭和の末期、若者の間でDCブランドブームが起こり、それらのブランドロゴが入った袋を持って歩くことがカッコいいと考えられた時代があった。この時、それと平行して若者の間では、デパートの紙袋を持って歩くことが、ダサイと思われていたようである。これと似た現象が、日本酒でも起こっているのであろう。
デパートの方は、その後のイメージ戦略などもあり、デパートの紙袋がダサイと言われることはなくなった。日本酒メーカーもこの事例が参考になるだろう。
ちょうど菊正宗は、地道ではあるが日本酒のワークショップを開いたり、女性専用のサイトを2005年から開設(和モダン.com)して、日本酒の魅力を伝えようとしている。昭和末期の地酒ブームから考えると、ちょっと遅すぎる感はあるが、それでも、「日本酒」ブランドの再構築には、こいった啓蒙活動は欠かせないことである。