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消費税率があがっても税収は増えない理由

By編集部

10月 15, 2014

(photo by Fumitake Ishibashi)

2014年4月1日に消費税率が5%から8%にあがってはや半年以上がすぎた。政府は、2015年9月の消費税率上げの判断を本年度中に行うことになっている。

さて、ここでよく出るのが消費税率をあげても税収は増えないという話。
消費税率が上がると消費が落ち込むのでそうなるのだろうとイメージは出来ても、具体的にはどうかというともやもやした気持ちを抱く人も少ないはず。

そこで、消費税率が5%から8%に上昇した場合の一例をあげてわかりやすく解説しておこう。

いまここで次のような会社を考える。
◆売上 3000万円(税抜き)
◆課税経費 2000万円(税抜き)
◆売上-課税経費 1200万円
◆利益 1000万円
(*人件費などの非課税経費があるため)

利益は1000万円なので、これに対する法人税、法人地方税等々を含め約40%とすると、税収は400万円となる。
そして消費税は、1200万円に対する5%で60万円である。
しめて税収は<460万円>となる。

さて、ここで消費税率が5%から8%に上昇して消費が落ち込んだ場合を考えてみよう。実際上2014年4月-6月は前年比7.1%(年率換算)減になった。
計算しやすいように7%減としておくと、利益は930万円となる。
これに対する法人税、法人地方税等々を含め約40%とすると、税収は372万円円となる。
対して消費税は、売上-課税経費が1116万円とすると、930万円の8%で89.3万円となり、税収は合計<461.3万円>となる。

つまり、<460万円>と<461.3万円>。ほとんど税収がかわらないのである。

2014年4-6月は消費税率アップ前の駆け込み需要の冷え込みがあったとはいえ、いくら消費税率をアップしても消費が落ち込んでしまえば税収は増えないということなのだ。