(photo by 念仏宗無量寿寺(念佛宗) A)
筆者はよく京都に出掛ける。京都はいい。多少観光地化しすぎたといっても、やはり古都である。
のんびり散策するには最高のエリアである。
さて、そんな京都には数多くの「日本庭園」がある。
もちろん、京都以外にも日本庭園は各地にあるわけだが、日本庭園を巡りをしていると、「借景」という言葉にふれることがある。
借景とは、庭園の構造物そのものではなく、庭園と併せて見える景色をさす。
この借景が日本庭園においてはかなり重要なポイントである。
たとえば、京都の庭園は、最初から借景を考えて作られているので、実にすばらしい姿を見せてくれるのである。
トップの写真は、京都ではなく兵庫県にある日本庭園だが、この場合、庭園の後ろの山々が借景である。
逆に、東京都心部にもいくつか立派な日本庭園があるが、借景がコンクリートの高層ビル群などだから、どうもしっくりこない。
この借景の考え方は、当然のごとく、現在の構築物や建築物にも生かされている。
もちろん、ディスプレイやサイン設置に関しても十分有効な考え方である。
ちょうどある商業施設で次の写真のようなクリスマスディスプレイを発見した。
実はこれは一昨年の写真なのだが、昨年もまったく同じような状態であった。
この写真を見て、読者はどう思うだろうか?
雪だるまのディスプレイ自体悪くはないと思うのだが、「借景」がよくない。
せっかくのディスプレイも生かせていないように思う。
まぁ、場所の制約もあるので、難しいところもあるだろうが、もう少し工夫があればと残念である。
借景の考え方、色々ビジネスに生かせそうである。